矯正後の後戻りは舌癖が原因かも?

投稿日:2025年10月23日 | 最終更新日:2025年10月23日

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矯正後の後戻りは舌癖が原因かも?口呼吸・嚥下を整えて綺麗な歯並びを安定させる方法

せっかく矯正した歯並びが、いつの間にか元に戻ってしまった経験はありませんか?
もしかすると、その後戻りは舌癖が原因かもしれません。歯並びは、日々の些細な癖に影響を受けやすいものなのです。特に、口呼吸や嚥下(えんげ)といった癖は、歯並びの後戻りを引き起こす原因になることがあります。そこでこの記事では、舌癖が歯並びに与える影響について詳しく解説。さらに、口呼吸や嚥下を改善し、矯正後の綺麗な歯並びを安定させるための具体的な方法をご紹介します。これらの癖を整えることで、後戻りを防ぎ、美しい歯並びを長く保つことができるでしょう。

歯列矯正後の「後戻り」、原因は無意識の癖かもしれません

歯列矯正を終え、ようやく手に入れた美しい歯並びが元に戻ってしまう「後戻り」は、多くの方が直面する共通の悩みです。実際、ブラケット矯正経験者のうち約30%が、矯正後3年以内に後戻りを自覚したという調査結果もあります。せっかく時間と費用をかけた努力が無駄になるようで、非常に残念に感じられることでしょう。

後戻りの原因としては、リテーナー(保定装置)の装着不足が一般的に知られています。しかし、それだけが全てではありません。実は、無意識のうちに行っている「舌の位置」「呼吸法」「飲み込み方」といった口腔習癖が、歯並びの安定に大きく影響している可能性があるのです。これらの癖は、歯に持続的な力を加え、徐々に歯並びを元の状態へと戻してしまう根本原因となり得ます。

この記事では、歯並びを乱す口腔習癖の正体と、その根本原因を改善するための具体的な方法を詳しく解説します。正しい習慣を身につけ、憧れのきれいな歯並びを長く維持するためのヒントをぜひ見つけてください。

原因の分類具体的な内容
生理的要因矯正で動かした歯が元の位置に戻ろうとする力(生理的後戻り)
保定装置の不備リテーナーの装着時間や期間が指示通りでないこと
口腔習癖舌癖、唇を噛む癖、頬杖、口呼吸など、歯に持続的な力を加える習慣
その他の要因親知らずの萌出による歯列への影響、歯周病による歯を支える骨の弱化

なぜ? せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまう理由

歯列矯正後の「後戻り」は、決して珍しいことではありません。矯正治療で動かした歯には、元の位置に戻ろうとする「生理的後戻り」という力が働くため、そのまま放置すると歯並びが不安定になりがちです。この期間に歯を安定させることが非常に重要となります。

後戻りの最も一般的な原因は、保定装置(リテーナー)の装着時間や期間が不十分であることです。矯正治療直後の1年間は特に歯が不安定なため、食事や歯磨き時以外はほぼ終日、最低でも1日20時間以上の装着が推奨されています。歯科医師の指示通り、最低2~3年、場合によってはそれ以上の期間、適切に装着し続けることが美しい歯並びを維持する鍵です。

後戻りの主な原因

さらに、日常的な無意識の癖、いわゆる口腔習癖も後戻りの大きな要因です。例えば、舌で前歯を押す「舌癖」や、唇を噛む癖、頬杖をつく習慣、さらには口呼吸といった癖は、歯に持続的な弱い力を加え、徐々に歯を動かしてしまうことがあります。その他、親知らずが生えてきて他の歯を押すことで歯並びが乱れるケースや、歯周病によって歯を支える骨が弱くなり、歯が動きやすくなることも後戻りの原因となり得ます。

舌・呼吸・飲み込み方が歯並びの安定に重要なワケ

私たちの歯並びは、単に骨の位置だけで決まるものではありません。実際には、舌が歯を内側から押す力と、唇や頬の筋肉が外側から歯を支える力の、絶妙な「筋肉のバランス」によって本来の位置に保たれています。このバランスが崩れると、せっかく矯正で整えた歯並びも不安定になり、後戻りの原因となります。

特に、舌が正しい位置にない「低位舌」の状態では、常に舌が内側から歯に不要な圧力をかけ続けます。その結果、前歯が前に押し出されて「出っ歯」になったり、上下の歯に隙間ができる「開咬」を引き起こしたりすることがあります。また、口呼吸の習慣があると、口が常に開いた状態になり、唇の筋肉(口輪筋)が緩んでしまいます。これにより、外側から歯を支える力が弱まり、歯並びが乱れやすくなることが知られています。

さらに、嚥下(飲み込み)の際に舌で前歯を押す「異常嚥下癖」も、歯並びを乱す大きな要因の一つです。私たちは唾液や食事を1日に何百回も飲み込んでいます。このたびに舌で歯を押す癖があると、繰り返し歯に力が加わり、長期的に見ると歯を徐々に動かしてしまうことにつながります。このように、無意識の口腔習癖が歯並びに与える影響は非常に大きいと言えるでしょう。

あなたの歯並びを乱す「舌癖・口呼吸・嚥下」とは?

これまで、歯並びの後戻りが無意識の口腔習癖によって引き起こされる可能性について触れてまいりました。ここでは、特に歯並びを乱す大きな原因となる「舌癖」「口呼吸」「異常嚥下癖」という3つの口腔習癖について詳しく解説します。これらの癖は、多くの場合ご自身では気づきにくい無意識の行動であるにもかかわらず、歯に持続的に弱い力を加え続けることで、矯正後の整った歯並びを不安定にする根本的な要因となります。

例えば、口呼吸が習慣化すると、舌が上顎に正しく押し当てられず、下に下がった「低位舌」の状態になります。この舌の位置の異常は、舌で前歯を押す「舌突出癖」や、飲み込み方が正しくない「異常嚥下癖」を誘発することがあります。このように、それぞれの癖は互いに関連し合い、複合的に歯並びへと影響を及ぼします。

以降の項目では、これらの口腔習癖が具体的にどのようなものなのか、そしてどのように歯並びに影響するのかを一つずつ詳しく掘り下げていきます。

【舌癖】舌の正しいポジションとセルフチェック方法

口を閉じてリラックスした際、舌の先が上の前歯のすぐ後ろにある歯茎の膨らみ(スポット)に軽く触れ、舌全体が上顎にぴったりと吸い付いている状態が、舌の正しいポジションです。この状態が維持されると、上顎の適切な発達が促され、美しい歯並びの維持にも貢献します。

一方、「舌癖」とは、舌が正しい位置になかったり、飲み込む際に誤った動きをしたりする癖を指します。代表的なものとして、安静時に舌が下顎の歯の裏側に落ち込んでいる「低位舌(ていいぜつ)」が挙げられます。口呼吸が習慣化している場合、舌が上顎に適切に固定されず、低位舌になりやすい傾向が見られます。また、食べ物や唾液を飲み込む際に、舌の先で前歯を強く押してしまう「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」も舌癖の一種です。これらの癖は、歯に継続的な圧力をかけ続け、歯並びを乱す原因となることがあります。

ご自身の舌が正しい位置にあるか、また舌癖がないか、以下の項目でセルフチェックしてみましょう。

  • 安静時に口を閉じた時、舌の先は正しいスポットにありますか?
  • 唾液を飲み込む際、舌で前歯を押していませんか?
  • 「サ行」や「タ行」を発音する際、舌が歯の間から出ていますか?
  • 舌の縁に歯型が残っていませんか?
影響分野具体的なデメリット
美容面ほうれい線、口元のたるみ、二重あご、アデノイド顔貌(特に成長期の子ども)
健康面虫歯、歯周病、口臭(唾液減少による)、風邪を引きやすい、アレルギー症状の悪化(フィルター機能低下による)
歯並び出っ歯、開咬(かいこう)(低位舌による)

【口呼吸】美容と健康に与えるデメリット

口呼吸は、単なる呼吸方法の違いにとどまらず、美容、健康、さらには歯並びにまで、さまざまな悪影響を及ぼします。

口呼吸がもたらす主なデメリットは以下の通りです。

美容面では、口周りの筋肉が使われにくくなることで筋力低下を招き、ほうれい線が深まったり、口元のたるみが目立ったりするといった影響が指摘されています。さらに、舌の位置が下がることで二重あごになりやすく、顔全体が引き締まりのない印象を与えることもあります。特に成長期の子どもでは、「アデノイド顔貌」と呼ばれる特徴的な顔つきになるリスクも懸念されます。

健康面では、唾液の分泌量が減り、口腔内の乾燥が進みます。唾液には歯の再石灰化を促進したり、細菌の増殖を抑えたりする自浄作用や殺菌作用があるため、その機能が低下すると虫歯や歯周病、さらには口臭の原因となることがあります。また、鼻呼吸が持つフィルター機能が使われなくなることで、ウイルスやアレルゲンが直接体内に侵入しやすくなり、風邪を引きやすくなったり、アレルギー症状が悪化したりする可能性も高まります。

加えて、口呼吸が習慣化すると、舌が常に低い位置にある「低位舌」の状態になりやすくなります。舌が上顎の歯列を内側から支える役割を果たせなくなるため、前歯が押し出されて「出っ歯」になったり、上下の歯が閉じきらない「開咬(かいこう)」といった歯並びの乱れを誘発するメカニズムが考えられます。

【異常嚥下癖】間違った飲み込み方が歯を動かす仕組み

歯並びの乱れや、矯正治療後の後戻りの大きな要因の一つに「異常嚥下癖」があります。

正常な嚥下では、舌全体が上顎に吸い付くように位置し、口周りの筋肉はリラックスしています。一方、異常嚥下癖がある場合、舌の先端が前歯を押したり、上下の前歯の間に挟んだりする傾向が見られます。この際、唇や顎に不必要な力が入り、不自然な動きが生じるのが特徴です。

私たちは、食事だけでなく唾液を飲み込む動作(嚥下)を、日常的に何百回も無意識に行っています。このとき舌が前歯を押し続けることで、歯に継続的な圧力が加わります。この力は、矯正治療で歯を動かす力と同等、あるいはそれ以上の影響を歯に与え、少しずつ歯を動かしてしまうメカニズムが働きます。

異常嚥下癖が習慣化すると、特に前歯に影響が出やすく、以下のような歯並びの乱れを引き起こします。

  • 出っ歯(上顎前突)
  • 上下の前歯が閉じきらない開咬(かいこう)
  • 受け口(下顎前突)

これらは、せっかく整えた歯並びを不安定にし、矯正後の後戻りを誘発する直接的な原因となり得るため、適切な改善が求められます。

今日から自宅でできる!口腔筋機能療法(MFT)トレーニング

MFT(Oral Myofunctional Therapy:口腔筋機能療法)とは、舌、唇、頬といった口周りの筋肉のバランスを整え、正しい動きを習得するためのトレーニングです。大学の研究でもその効果が証明されており、MFTは歯列矯正後の後戻りを防ぎ、整った歯並びを安定させる上で非常に有効です。さらに、不正咬合の改善や予防、そして矯正治療の効果を最大限に引き出すことにも貢献します。

これからご紹介するトレーニングは、特別な器具を必要とせず、ご自宅で手軽に始められるものばかりです。舌の筋力を鍛える基本的なトレーニングから、口周りの筋肉を整える方法、そして正しい飲み込み方(嚥下)を習得するトレーニングまで、具体的な実践方法を詳しく解説していきます。

舌の筋力を鍛える基本トレーニング

舌の筋力を強化することは、正しい口腔機能を維持し、歯並びを安定させる上で非常に重要です。ここでは、自宅で手軽に実践できる舌の基本トレーニングを3つご紹介します。

口周りの筋肉を整えるトレーニング

口をしっかり閉じ、適切な呼吸を行うためには、口周りの筋肉、特に「口輪筋」の強化が非常に重要です。口輪筋を鍛えることで、口呼吸の改善だけでなく、歯並びの安定にもつながります。ここでは、ご自宅で手軽に取り組める、口周りの筋肉を整えるトレーニングを3つご紹介します。これらのトレーニングは、口輪筋の筋力や持久力を高める効果が示唆されています。

正しい飲み込み方を覚える嚥下トレーニング

正しい飲み込み方(嚥下)とは、舌の先を上の前歯の裏側にある「スポット」に軽くつけ、舌全体を上顎に吸い上げ、口周りの筋肉に余計な力を入れずに唾液や食べ物を飲み込む一連の動作を指します。唇や頬はリラックスした状態で、舌が前歯を押さないことが重要です。この正しい嚥下を身につけることが、本トレーニングの最終目標です。

ご自宅で実践できる嚥下トレーニングとして、「スポット・アンド・スワロー」をご紹介します。このトレーニングには、手鏡、ストロー、スプレーボトル(霧吹き)を用意するとより効果的です。

トレーニングの手順は以下の通りです。

  1. 舌の先をスポットにつけ、舌全体を上顎に吸い付けます。
  2. 上の犬歯(糸切り歯)の後ろにストローを置き、舌の裏側に当てた状態で軽く歯を噛み合わせます。
  3. 口の横からスプレーで水を吹き入れ、奥に集めます。
  4. 奥歯を噛んだまま、舌をスポットから離さずに「ゴクン」と飲み込みます。

この一連の動作を、左右交互に5回ずつ繰り返しましょう。飲み込む際には、鏡を見ながら、唇や頬の筋肉に余分な力が入っていないか、下唇の下(オトガイ筋)に梅干しのようなシワが寄っていないかを確認することが大切です。継続が成功の鍵となるため、1日複数回、例えば歯磨きの後や食事の際の一口目だけでも意識して行うことで、徐々に正しい習慣が身につくでしょう。

トレーニングだけじゃない!日常生活で意識したい改善ポイント

口腔筋機能療法(MFT)のトレーニングは、舌や口周りの筋肉の機能を正常化し、正しい口腔習癖を習得するために非常に有効です。しかし、せっかく身につけた正しい口腔機能をより確実に定着させ、歯並びの後戻りを防ぐためには、トレーニング以外の時間における意識も不可欠です。

このセクションでは、MFTの効果を最大化し、美しい歯並びを長期的に維持するための具体的な習慣改善ポイントを、日常生活の様々なシーンに分けてご紹介します。特に、食事の取り方、就寝中の口呼吸への対策、そしてデスクワーク時の姿勢など、普段無意識に行っている行動の中にこそ、歯並びに影響を与える癖が潜んでいます。

これらの小さな意識改革こそが、トレーニングで得られた効果を日常に溶け込ませ、理想の歯並びを安定して維持するための重要な鍵となるでしょう。次の項目からは、それぞれのシーンで具体的に何をすべきか解説します。

食事の時に気をつけること

食事は、口腔機能に大きな影響を与える日常動作の一つです。美しい歯並びを維持するためには、日々の食事の取り方を意識することが大切です。

食事の際に特に意識していただきたい点は以下の通りです。

  • 一口30回を目安によく噛む
  • 左右の歯で均等に噛む
  • 食事中は口をしっかり閉じる

まず、一口30回を目安によく噛む習慣をつけましょう。日本歯科医師会も「ひと口につき30回噛む」ことを推奨しており、よく噛むことで顎や口周りの筋肉が鍛えられ、歯を支える土台が安定します。また、唾液の分泌が促されることで、口臭予防や胃腸の働きを助ける効果も期待できるでしょう。

次に、左右の歯で均等に噛むことを意識しましょう。片側ばかりで噛む「偏咀嚼(へんそしゃく)」は、顎のバランスを歪ませ、歯並びを乱す原因になります。特定の歯や歯肉、顎の骨に負担が偏ることで、歯や歯肉がもろくなる恐れがあるため、左右均等に噛むことを心がけましょう。

さらに、食事中は口をしっかり閉じて食べるように意識しましょう。食事中に口が開いていると、無意識のうちに口呼吸の癖がつきやすくなります。口呼吸は舌の位置を下げ、歯並びに悪影響を与える可能性があるため、鼻呼吸を意識して口を閉じて食べるようにしましょう。足を床につけ、背筋を伸ばした正しい姿勢で食べることも重要です。猫背などの悪い姿勢は、正しい飲み込み(嚥下)を妨げることがあり、口腔機能のバランスを崩す一因となります。

就寝中の口呼吸を防ぐ工夫

就寝中の口呼吸は、口腔乾燥を招くだけでなく、歯並びの悪化や矯正治療後の後戻りのリスクを高めます。夜間の無意識な口開きを防ぐための工夫を実践しましょう。

睡眠中に口が開いてしまうのを防ぐには、「マウステープ(口閉じテープ)」の活用が有効です。肌に優しい医療用不織布や粘着剤を使用したものが多く販売されており、快適に利用できるでしょう。ただし、鼻炎や風邪などで鼻が詰まっている場合は、呼吸を妨げる恐れがあるため、使用を控えることが重要です。

鼻呼吸を促すには、寝室の環境整備も欠かせません。具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • 加湿器で部屋の湿度を50~60%に保ち、喉や鼻の乾燥を防ぎ、鼻呼吸をサポートする。
  • アレルギーによる鼻づまり対策として、空気清浄機を活用するほか、定期的な寝具の洗濯・掃除でハウスダストや花粉などのアレルゲン除去に努める。

さらに、睡眠中の姿勢も見直しましょう。気道を確保しやすい仰向けで寝る姿勢を意識し、首への負担を軽減する適切な高さの枕を選ぶことも、自然な鼻呼吸を促す上で効果的です。これらの対策を組み合わせることで、就寝中の口呼吸を抑制し、口腔機能の改善と歯並びの安定に貢献するでしょう。

デスクワーク中に意識したい姿勢

長時間のデスクワークやスマートフォンの利用による悪い姿勢は、歯並びの安定に悪影響を及ぼすことがあります。特に、猫背や顔を前に突き出す前傾姿勢は、気道を狭め、口呼吸を誘発する原因となります。このような姿勢では、舌が上顎に収まらず「低位舌」になりやすく、口を自然に閉じることが難しくなります。その結果、無意識のうちに口が開いてしまい、歯並びの後戻りを招くリスクが高まります。

歯並びの後戻りを防ぐためにも、デスクワーク中の姿勢を意識的に改善しましょう。具体的なポイントは以下の通りです。

  • 椅子には深く座り、背筋を伸ばして骨盤を立てる
  • PCモニターの高さは目線と同じかやや下になるよう調整する
  • 顔が前に出過ぎないように注意する

これらの工夫により、気道が確保され、舌が正しい位置に収まりやすくなります。

また、長時間同じ姿勢を続けると、体がこわばり、姿勢が崩れやすくなります。集中していても1時間に一度は休憩を取り、簡単なストレッチを取り入れることをおすすめします。肩回しや首のストレッチは、筋肉の緊張をほぐし、正しい姿勢の維持をサポートしてくれるでしょう。日々の意識的な改善が、美しい歯並びを長く保つための鍵となります。

矯正治療の効果を最大限に引き出すために

歯列矯正は、矯正装置で歯を物理的に動かす「治療」と、舌癖や口呼吸といった根本原因を改善する「習慣づくり」の両輪が揃って初めて成功に至ります。ここで触れる口腔筋機能療法(MFT)は、口周辺の筋肉を鍛え、口腔機能の改善を目指す治療法であり、矯正治療の後戻りを防ぐ上で不可欠な要素です。MFTを矯正治療と並行して行うことで、治療を効率的に進め、スムーズな歯の移動を促し、結果的に治療期間の短縮にも貢献するでしょう。

また、MFTは矯正治療後の後戻りを予防し、整った歯並びを長期的に維持するために非常に有効です。特に成長期の子どもの場合、MFT単独で不正咬合が改善される可能性も指摘されることがあります。顎の成長が完了した大人では、矯正治療とMFTの併用が、後戻り防止に大きく貢献します。

MFTは矯正治療のどの段階からでも開始できますが、実施にあたっては以下の点に留意することが重要です。

  • 自己判断せず、必ず歯科医師の指導のもとで正しい方法を継続する。
  • 不安な場合は専門家へ相談する。

歯列矯正と口腔筋機能療法(MFT)を併用するメリット

歯列矯正は歯を物理的に動かす治療である一方、口腔筋機能療法(MFT)は、歯並びを乱す根本原因となる舌癖や口呼吸などを改善する療法です。これら二つの治療を併用する最大のメリットは、矯正後の後戻りリスクを大幅に低減できる点にあります。口腔周囲の筋肉バランスが整うことで、整った歯並びが安定しやすくなります。

MFTによって舌が正しい位置に収まると、矯正装置の働きを阻害する力がなくなり、歯がスムーズに動きやすくなります。これにより、治療計画が円滑に進み、矯正期間の短縮も期待できます。また、歯並びを乱す癖そのものが改善されることで、治療後の歯並びが安定し、保定装置(リテーナー)の装着期間が短縮されたり、夜間のみの装着で済むようになったりするなど、患者さんの負担軽減にもつながるでしょう。

さらに、MFTは、正しい呼吸法や嚥下法を身につけるトレーニングでもあります。これにより、以下のような様々な効果が期待できます。

  • 口周りの表情筋が鍛えられ、自然で若々しい笑顔や引き締まった口元といった審美的な改善。
  • 口呼吸の改善による、口内の乾燥、虫歯、口臭の予防。
  • アレルギー症状の緩和など、全身の健康への良い影響。

いつから始めるべき?専門家への相談のタイミングとスタースマイル矯正

口腔筋機能療法(MFT)は、矯正治療と並行して行うことで最大の効果を発揮します。矯正治療を開始する前、矯正治療期間中、そして保定期間のどの段階から始めても効果は期待できますが、早期にMFTを導入する方が、後戻りのリスクを根本から解消し、安定した歯並びを長期的に維持できるという利点があります。大学の研究でも、MFTが歯列不正の改善、矯正治療の効果、治療後の咬合の安定に有効であると報告されています。

「自分にも舌癖や口呼吸があるかもしれない」と感じた時が、専門家へ相談する良い機会です。特に歯列矯正を検討している方は、カウンセリング時に口腔習癖について相談することで、矯正治療計画にMFTを効果的に組み込むことが可能になります。

スタースマイル矯正では、歯並びの美しさだけでなく、口周りの機能全体を正常に導く「機能ファースト」のアプローチを重視しています。具体的には、以下の点に注目しています。

  • 舌の正しい位置
  • 適切な呼吸法
  • スムーズな飲み込み方

歯並びの治療と合わせて、口腔習癖の改善指導にも力を入れており、専門家による総合的なサポートを提供しています。後戻りの不安を解消し、理想の歯並びを長く維持するためにも、一度ご相談を検討されてはいかがでしょうか。

要素内容
リテーナー矯正治療後に歯が元の位置に戻るのを防ぐ保定装置の適切な使用
口腔筋機能療法(MFT)舌、唇、頬の筋肉のバランスを整え、正しい口腔機能を習得するトレーニング
日常生活の習慣改善食事中の咀嚼・飲み込み方、鼻呼吸、正しい姿勢など、歯に影響を与える癖の意識的な改善

まとめ:スマイルライン歯科・矯正歯科に相談して、正しい習慣を身につけて、理想の歯並びをキープしよう

歯列矯正によって得られた美しい歯並びを長期的に維持するためには、リテーナー(保定装置)の適切な使用に加え、舌癖、口呼吸、異常嚥下癖といった無意識の口腔習癖の改善が不可欠です。これらの癖は歯に持続的な力を加え、せっかく整えた歯並びが元の状態に戻ってしまう「後戻り」の主な原因となります。矯正治療が完了しても、口腔機能のバランスが整っていなければ、後戻りのリスクを避けることはできません。

口腔筋機能療法(MFT)は、舌、唇、頬といった口周りの筋肉のバランスを整え、正しい口腔機能を習得するための有効な手段です。さらに、食事中の咀嚼や飲み込み方、就寝中の鼻呼吸への意識、デスクワーク中の正しい姿勢といった日常生活における習慣改善も、MFTの効果を最大限に引き出し、理想の歯並びを長期的に安定させる上で非常に重要です。これらの小さな意識改革を積み重ねることで、歯並びを乱す根本原因からの改善を目指せます。

以下に、美しい歯並びを長期的に維持するために重要な要素をまとめます。

しかし、自己流のトレーニングでは、効果が限定的であったり、かえって誤った癖を助長してしまう可能性もあります。そのため、MFTを実践する際は、必ず歯科医師の専門的な診断と指導のもと、個々の状態に適した方法を継続することが重要です。特に、矯正治療中に口腔習癖が改善されない場合、それが治療後の後戻りや再発の原因となることも指摘されています。専門家による継続的なサポートは、正しい習慣の定着と効果的な改善への近道となります。

当院「スマイルライン歯科・矯正歯科」では、患者様一人ひとりの口腔習癖や歯並びの状態を詳細に分析し、MFTを含む専門的なアドバイスとサポートを提供しています。後戻りの不安を解消し、美しい歯並びを長期的に維持できるよう、矯正治療と口腔筋機能療法を組み合わせた総合的なアプローチを重視しているのが当院の特徴です。後戻りの矯正や再矯正治療に関する無料相談も承っていますので、些細な疑問や口腔習癖に関するご相談でも、どうぞお気軽にお問い合わせください。正しい習慣を身につけ、自信の持てるスマイルラインを生涯キープできるよう、私たちがお手伝いいたします。

スタースマイル

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